ドーナツサコッシュ(1) ー どうしてこれを作り始めたのか

「目標とするレースイベントに向けて脚力を鍛えたい」「電車から見えた山並みの向こう側に見える景色を見てみたい」自転車に乗る人、それぞれの理由、目的があったりしますよね。そんな様々なシチュエーションがある中でも組合せとしてよくあるのが「せっかく自転車で走ったのだから美味しい何かを食べたい」というのがあったりします。

 

自転車を走らせる原動力は搭乗者の漕ぐ力。推進力となるペダルパワーの源泉たるガソリンは「食べ物」です。頑張って辿り着いた先で「旨いものを!!」となるのは至極当然。パンが食べたいですか? ジェラートが食べたいですか? ──それともドーナツ!?

都心から100km程走った先の田舎の街並み。さぁお昼は何を食べにいこうかな?

とある晩のこと。「食べ物をテーマにした自転車アパレルって意外とないですよね」「そうそう」「食べ物をテーマに描いたサイクルジャージを作るとか?」「それだけだと何か違う気がしませんか」──そんなことをイラストレーターのアザミユウコさんとお話しておりました。

 

話題は「どうして食べ物の絵を衣服の上に描くだけでは“何かが違うのか”」という所をテーマにして広がりました。そして辿り着いたのが「そのアイテムを身に付けることが、行動のきっかけとなり、アイテム自身が事を成す機能を有していなければならない」それが一番大事なことなのだ。ということに気がついたのです。

 

ある朝。一枚のイラストがアザミユウコさんから届きました。可愛らしいドーナツのイラストがちりばめられたサコッシュのデザイン画。あの晩に私達が話をしていたひとつの答え。キュートなサコッシュ。これを肩から下げてドーナツを買いに行くという目的、それらを携帯可能な構造。「ドーナツを買いにいこう」がテーマのサコッシュ作りが始まったのでした。